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きっかけは人手不足。会社の事業や事情に詳しい百十四銀行に導入支援を依頼
――今回導入支援を委託するに至った経緯を教えてください。
伸興電線・峰重さま
経理の実務を担当しているのが三好とその上席だけという状況の中、社内の人員だけで平時の業務と並行して勘定奉行クラウドへの移行作業をするのはどうしても難しかったからです。会計業務は経営の根幹を揺るがすような中身であり間違いは許されないことから百十四銀行さんと百十四システムサービスさんの経験や知識でサポートいただくことになりました。
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――さまざまな支援会社がある中から、百十四銀行および百十四システムサービスをお選びくださった理由は何ですか?
伸興電線・峰重さま
百十四銀行さんは弊社のメインバンクなので普段からお付き合いがございまして、それでコンサル業務をされていることを伺い、色々ご尽力いただけるということで、今回ご協力をお願いしました。弊社のこともよくご存知でいらっしゃるので、安心して百十四銀行さんに導入支援をお願いさせていただきました。
百十四銀行・吉武
ありがとうございます。奉行シリーズの導入支援が可能な会社は日本中にたくさんあると思いますが、我々はシステム更新の経験があることに加えて、伸興電線さまの事業内容や今のお忙しさ、社員さまのお人柄なども存じ上げているので、それらを踏まえたうえでしっかり伴走できるところが強みかなと思っています。地元に根ざした銀行ならではの長所をご評価いただけたことは非常にありがたいです。
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三社でコミュニケーションを密にとりながら、ゴールを目指した
――伸興電線さま、百十四銀行、百十四システムサービスの三社で作業することに関して、不安はありませんでしたか?
伸興電線・尾﨑さま
三社で作業するということに対しての不安はありませんでした。経理・システム両面の充実したサポートのおかげで滞りなく作業を進められたので、大変ありがたかったです。また三社でのやりとりにはプロジェクト管理ツールを使いましたが、それにより密にコミュニケーションを取れたので、意思疎通は非常に円滑だったかなと考えております。
百十四システムサービス・橋本
プロジェクトの終盤は電話に近い感覚でプロジェクト管理ツールのチャット機能でのやりとりをしていましたね。尾﨑さまは業務にもお詳しいですし、ITスキルも高いので、こちらから何かお話をさせていただいたら、途中で立ち止まったり、悩んだりというようなやりとりが無く、正確・迅速に作業が進んでいきました。
伸興電線・尾﨑さま
今回のデータ移行にあたっては、勘定科目の体系を変更したり、新しい体系に則って仕訳伝票の科目を変換したりといった作業を行っていただきました。過去二年分のデータを移し替えたので、正直自分達だけで作業していたら、同じようにはできなかったと思います。過去の分は過去のものとして残し、勘定奉行クラウドには新しいデータしか入っていなかったという可能性もあったかもしれません。
百十四銀行・吉武
データ移行に必要なコード変換に関しては、橋本が独自のコード変換ツールを作って、それにデータを流して、変換後に勘定奉行クラウドに流すといったこともさせていただきました。システム移行にあたって、システムの外で変換ツールを作るというのは一般的ではないかもしれないのですが、銀行業務ではよくあることです。百十四システムサービスは百十四銀行のグループ会社ということもあり、これまでの経験の蓄積があったため、今回そのようなご対応が実現できたのではないかと思います。
百十四システムサービス・橋本
地域を代表する企業さまのデータ移行を担当させていただき、私どもとしても今回の事例は非常に良い経験になりました。
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通常業務と並行しながらの移行作業は後回しになりがち。百十四銀行によるスケジュール管理やアドバイスに助けられた
――当社の段取りや対応はいかがでしたでしょうか?
伸興電線・峰重さま
全体的なところですと、スケジュール管理の面でとても助けていただきましたね。
伸興電線・三好さま
はい。通常の業務と同時にプロジェクトを進めていると、どうしても移行作業の方が後回しになってしまいがちでしたが、その辺りの段取りをうまく管理していただきました。また実務で少しでも引っかかったことがあれば「こんなやり方もありますよ」といったアドバイスをいただけて、大変参考になりました。
伸興電線・尾﨑さま
作業の段取りに関しては事前に綿密な打ち合わせがあったので、不測の事態もほぼ起きなかった印象です。ご提示いただいた作業スケジュールに関しても無理のないようにしていただいたので割と余裕があり、前倒しで進めることができました。非常にスムーズでしたね。
百十四銀行・吉武
新会計システムのテスト期間は普段の業務に加えてやらなければならないテストがたくさんあったので、ご負担は大きかったかと思いますが、スケジュールをしっかり守ってくださいましたね。
伸興電線・峰重さま
取引内容のマスタや回収・支払方法のマスタなど今までになかったものを作って、その確認やデータ拾いをするのには、かなりの時間を費やしました。入金消込の作業量も多かったですね。途中でインボイス制度が始まってより複雑になったこともあり、一時はどうなることかと思いましたけど、なんとかなりましたね。皆さまにご協力いただいて、うまくできたかなと思っております。
百十四銀行・吉武
システムを単純に入れ替えるだけではなく、これを機に業務の棚卸や見直しも行うことができましたね。随時ご相談くださったので、その都度対応させていただきました。
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システム変更を機にこれまでの業務の流れも見直して、効率化を実現
――当社とのやりとりで印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
伸興電線・尾﨑さま
印象に残っている出来事は2つあります。ひとつは吉武さんとのエピソードで、勘定奉行クラウドでの前受金の処理方法が想定していたものと違うというのが判明したときです。基幹システムとの連携の都合上、従来の科目で前受金を処理したかったのですが、後になって別の科目で処理しなければいけないと分かったんです。OBCさん(勘定奉行クラウド運営会社)との打ち合わせが終わった直後に1時間半ほどかけてどうするかというのを急遽話し合いましたよね。あの時は本当に心強かったです。最終的にシステム連携の問題を解消できる処理方法が見つかったので非常に感謝しています。
もうひとつは、橋本さんとのエピソードですね。科目コードの変換表で再三の変更が発生してしまったのですが、その都度ご対応いただきました。コード変換ツールの修正だけでなく、変換規則修正後の伝票データ入力のやり直しまで、何もかもに応えていただけて大変感謝しています。
百十四システムサービス・橋本
そんなふうに言っていただけて本当にありがたいです。
伸興電線・尾﨑さま
変換表に関してはこちらの更新が間に合っていない部分があって、橋本さんが気づいた時点でその都度ご指摘くださったんです。それで何とか漏れ無く対応できたのですが、少々ご迷惑をおかけしたなと思って。
百十四システムサービス・橋本
いえいえ、作業をしているなかで気がついたところがあれば、その都度お話させていただいたというだけで。
百十四銀行・吉武
何かあれば都度プロジェクト管理ツールのチャット機能を活用してコミュニケーションがとれたことは非常に助かりました。皆さまレスポンスがとても早くて、すぐにチェックしてくださるので、伝わっている、伝わっていないというのが大変分かりやすかったです。
常に同じ情報を共有できるようにしていたので、プロジェクトチームとしてもすごく一体感がありましたね。メンバー全員、一丸となってゴールを目指すことができたかなと思います。
初めは週1回、対面でミーティングさせていただいて課題を潰していき、移行計画が出来上がってからは計画に沿って、主にオンライン上でやり取りしながら作業するという形で、非常にスムーズに進みました。
伸興電線・三好さま
この機会に吉武さんに業務フローを整理していただいたこともありがたかったです。日々の業務の中で、悪い表現をすると流れ作業になっていた部分もあったのですが、今回業務フローを再度丁寧に確認することによって、どうすればもっと業務が効率的になるのか考え直すことができました。良いきっかけをいただき、ありがとうございました。
伸興電線・峰重さま
これまでの経理業務は一子相伝でやってきたので、業務フローというものが資料として存在していませんでした。それを形に起こしていただいたことで、次の引き継ぎや何かのタイミングで「こういうフローだから、こうするんだよ」っていうのを説明しやすくなったと思います。改善策を話し合う際にも使えそうですし、今後うまく活用させていただけそうで大変助かります。
百十四銀行・吉武
ありがとうございます。効率化を目指すと、煩雑だった業務フローがどんどんシンプル化していくんですよね。仕事の流れとしてはそれが理想かなと思いますので、システム導入支援をさせていただく際には毎回その作業に力を入れております。そこをご評価いただけたのは大変嬉しいです。
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成果が出るのはここから。経営管理的にも価値のあるプロジェクトとなった
――新システム導入後の業務はいかがでしょうか? 今後の展望や全体を振り返ってのご感想をお聞かせください。
伸興電線・峰重さま
勘定奉行クラウドを使うことで、業務をより効率的にすることを目指してやっておりますが、稼働してからまだ1ヵ月ほどなので、正直、今は道半ばです。これから不具合や改善点など、もろもろ出てくるのではと思います。まだ使っていない機能もありますし、不慣れな部分も少なくないですが、徐々にスピードアップして対応していくつもりです。今まで逐一作成する必要があったものでも、ひとつ入力すれば2つ3つのアウトプットが出せるような仕組みを作り上げているつもりなので、どんどん活用していきたいです。今回マスタの整備にも重点を置いて、アウトプットで「こんなデータ」が欲しいという経営層の要望にも応えられる形にできたので、今後のデータ分析にも活用していければと考えています。今回のプロジェクトは単にシステムを変更するだけにとどまらず、経営の数字を見る上で非常に価値があるものであったと感じています。
百十四システムサービス・橋本
今回のようなスピード感でシステム導入が完了するというのは、なかなかないと思います。伸興電線さまのレスポンスは非常に早く、あれだけのスピード感できちんとデータを整備してプロジェクトを完了できたこと、本当に凄いことだと感じています。皆さまのスキルがものすごく高かったことで、私どもとしても大変進めやすかったです。本当に感謝しています。
百十四銀行・吉武
引き続き別のシステムの導入もご提案させていただいておりますので、これからも地域金融機関として5年10年30年と御社と伴走していけたらと考えております。
御社は社員さまも多いので、DXにあたり皆さまにとって一番効率的で最適な方法はどれか、いろいろ試しながら選択されている状況で、今回のプロジェクトはその下地作りになったかと思います。まずは計画通りに終わって良かったです。どうもありがとうございました。